もちろん、私はエジプトはそんなに興味もないし、ファラオ王好きでもないし、「王家の紋章」も嫌いだった。
ただ子供がエジプト好きなので、連休でもあり、子供の勉強になるかぐらいのノリでついて行った。
高い入場料を払わされ、無料だぞとオーディオガイドをありがたく貸与させられる。
最初はロゼッタストーンから始まるのは定石通り。
ヘッドフォンで、ぼんやり仏語の解説を聞きながら、ツタンカーメンの発掘現場の地図や資料を見て次は映画なので前の終了まで待たされる。
最初の映画の部屋では、古代王朝の人たちの話。
顔つきが長屋にいるオカミサンのような感じの女王とか、意外と顔つきに親しみがわく。
次の映画の部屋では、発見者の一人、ハワード・カーターが語られる。
カーターは17才で、発掘の記録画家としてエジプトに渡る。
当時の写真はいわゆる紅顔の美少年っぽく、ジェームズ・アイボリーの映画に出てきそうだ。
映画は、カーターが発掘した墓地の地下の壁面をカナヅチで穴をあけて覗き込むシーンで終わり、我々観客は次の部屋へと通されると、なんとそこには壁から覗けた部屋が再現されている。
そして、王の墓室へと続く。
そして、待ちに待ったToresors、宝物がグチャラと並べられた大広間にたどりつく。
まばゆく、金ピカだらけ。
ツタンカーメンが金ピカなのは知っているので、そんなに驚くことはないが、驚いたのはそのデザイン性である。
決して田舎じみてなく、洗練さも甚だしく、モチーフにしても、造形にしても、ちゃんとしたデザイナーが作ったんだなとわかる。
もちろん当時のエジプトにデザイナーという言葉はなかったろうが、近い職業はあったのではないだろうか。
ライオンや鳥、猫などのエジプトではおなじみの動物がデザイン化されていてほんとうに美しい。
改めて、金持ちが美を磨くことが出来るのだと納得する。
当時のレベルから、ここまでのデザインを完成させると言うのは金(冨)以外の何者でもないのではないか?
例えば、アフリカの土人にここまでの洗練さを表すことが出来るか?
時代を下って、ヨーロッパでも中世の王様において、ここまで洗練することが出来るか?
たぶん、金持ち度が違うんじゃないのかな?
これは最初の棺入れ(?)の壁面の模様だが、このブルーと黄金の組み合わせはショックだった。
おそらく安土城にあっても遜色の無い美しさだ。
これも棺らしきものの4面に飾られている少女像だが、その可憐さと言うかETのような不思議感がエジプトらしくない。
これも驚愕の一品。
何に使うのかはわからなかったが、箱の中に4体、向きあうように並んでいる。
エジプト人、恐るべし!
会田誠もビックリかも。
エジプトの矢ガモ。
出口近くで、冠ライオンがまた来いよと手を振る。
エジプト人はユーモアもあるようだ。
そのハワード・カーターの絵。
うまくはない。これなら私にも描けそうだと思ったほど、ちょっと雑い。
(サインはカッコイイ。このサインで何となくカーターがわかる)
本物のお手本があるんだろうし…だけど、ほぼ半生をエジプトで過ごす、インディアナ・ジョーンズみたいな生活は私にはできない。
この会場を出る時、ふと思ったが、この会場を歩いていて一番ぴったりなのはやはりオマー・シャリフだなと。
ツタンカーメン展は9月1日まで、パリ、ポルト・ド・ヴェルサイユのエキスポ会場でやっています。

